横山秀夫「第三の時効」。

1年前の今頃は「デス・パレード」を放送していたのか!と、便利に分かる日記としても使える適当ブログ。
結局よくわからないまま終わったけど、そんなモヤッと感もあっという間に忘れていくもんだなーと思う今日この頃です。


今回はまた横山秀夫さん「第三の時効」です。


買って間違いない県警シリーズ、短編集です。


★タイトルにもなっている「第三の時効」

暴行されて云々の時点で勘のいい方ならピンときますが、ここからが真骨頂。


強行二班の班長・楠見が容赦ありません。

いいっ!

この救いようのない感じがいいっ!

だから最後の森刑事のくだりはもうちょっと悩んだ感じにしてほしかったね。



★「囚人のジレンマ」

ここぞというときには間違いや失敗ばかり…。
情に厚くて面倒見もよくて普通にやっていれば仕事もちゃんとできる人ですが、
本番でダメってことは「会社」的にはダメなわけで。

そんな退官間近の監察官・伴内さんと、敵対している強行三班のささやかな「協力」がジワリときます。



さて、買って間違いなし!の県警シリーズですが、ここでまさかの不満が!!


第三班班長・村瀬です。



小説なので虚構もあるのは当たり前なんですが、この村瀬のキャラづくりに若干無理があります。

・・・ファンタジー過ぎる。


この村瀬は「天才的な直観」の持ち主で現場を見たときに発する「第一声」が捜査の核心をついているという人物なんだそうですが…。

「え…?そういう能力っぽいもの出しちゃうの?」とシラーっとしらけていくと言いますか…うーーーん残念。
キャラを作ろうとして、キャラが弱いのが悪目立ちしちゃいました。


いらん設定やったね


もともとファンタジー路線ならいいんですよ、ガリレオシリーズとかね。

でもこういうガッチリ現実的な骨組みの中にこういうファンタジー入っちゃうと
ものすごい違和感で、物語が一気にチープになるんだなーと思いました。(すみません)


なので「密室の抜け穴」は自分としてはちょっとすっきりしません。


と思いきやちゃんと修正が入った気がした最終話「モノクロームの反転」



敵対(?)する第一班と第三班のまさかの合同捜査。一家惨殺事件です。

どちらも相手より先に縄張りを確保してネタを取ろうと必死です。


ここでの村瀬は「ファンタジー村瀬」ではありません。


しっかり現実社会してます。


勘がいいというか、
現場を見尽くした人間だからこそ感じる違和感を人一倍敏感に感じとるセンスがある、というようになっています。

なので、「第一声」に向かって物語が進むのではなく、「捜査」の邪魔をしません。
相手を差し置いて抜け駆けしてとにかくホシを挙げるピリピリした雰囲気も壊れません。


「黒いチューリップ」「タイムカプセル」の台詞は・・・・まあギリギリ我慢できる範疇です。


というわけで、村瀬の件さえ除けば、満足の★4.5、集英社文庫「第三の時効」でした。

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